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コラム

動画は感情に訴える力がある。サステナビリティの実現に向けたストーリーをグローバルに展開【事例:横河電機(YOKOGAWA)様】

目次

2050年に向け、目指す社会の姿をサステナビリティ目標「Three goals」 として定め、自らを変革しながら取り組んでいる横河電機株式会社(YOKOGAWA)。

今回の事例レポートは、同社のサステナビリティ推進部に所属する古川様と、鈴木様にインタビューを実施しました。

動画を活用し、海外を含めた社内外のステークホルダーに自社の取り組みをどのように訴求していったのか、ぜひご覧ください。

<Sustainability – Areas where Yokogawa contributes>

冊子「サステナビリティレポート」を、動画でわかりやすく訴求

横河電機株式会社(YOKOGAWA)冊子

「サステナビリティレポート」https://www.yokogawa.co.jp/about/yokogawa/sustainability/report/

—— 今回、動画に取り組んだ背景を教えてください。

古川さん:当社は以前からサステナビリティの活動に熱心に取り組んでおり、トップダウン・ボトムアップの両軸で活動を推進してきました。

サステナビリティへの社員意識が、昨今さらに高まってきた、と感じたことが動画を作るきっかけとなりました。

横河電機株式会社(YOKOGAWA)古川さん

鈴木さん:今までは毎年「サステナビリティレポート」という冊子を作っていました。

しかし、文章中心で、この分野に知見のある専門家の人でないと取っつきにくい内容だったかもしれません。

そのため、多くの方に短時間でわかりやすく、かつ印象に残るような発信をするには、動画という手段が有力だと感じました。

横河電機株式会社(YOKOGAWA)鈴木さん

古川さん:今回は、社内のコミュニケーションの活性化に加え、社外のステークホルダーからもサステナビリティへの要求が高まっていること、

採用のシーンにおいても聞かれることが多くなったことも動画制作の目的の1つです。

私たちの考えを多方面のステークホルダーによりわかりやすく示す手段として動画が最適だと思ってはいましたが、

実際に作るのは時間も工数もかかり、どのような内容にするか頭も使うので、私たちもパワーを要するプロジェクトになります。

日々、いろいろな業務が動いていますが、タイミング良くプロモーション予算が取れたので、「作ろう!」と決⼼しました。

—— クロステリアに発注した理由も教えてください。

古川さん:2020年に当社は気候変動の取り組みで高い評価をいただき、その式典で流す経営トップのインタビューを、

クロステリアの藤保さんにお願いしていました。

その際に、迅速に質の高い動画を作っていただいたので今回もお願いした形になります。

以前ご一緒させていただいたときも、こちらが素人だという前提で丁寧にご説明をいただいたので、今回も安心してお願いができました。

—— 今回はどのような要件で依頼したのでしょうか?

古川さん:2021年度のサステナビリティレポートにて、社会・環境への貢献と企業価値向上の2つの観点で6つの貢献分野を設定しました。

動画では、その内容を訴求する際に、言葉だけで伝えるよりも、

グラフィックのイメージと組み合わせて、より印象に残るものを作りたいと考え依頼しました。

具体的には、6つ全部を覚えてもらうというよりは、全体のまとまりで印象に残るものにしたい。

さらには、他のメディアや自社のプレゼン資料に活用したり、今後のサステナビリティレポートにも水平展開していきたいという欲張りな依頼でした。

短納期だったので、いろいろと要望を出して大丈夫だろうかと思いましたが、藤保さんにはスケジュールが厳しい中でも的確にフローを組んでいただきありがたかったですね。

鈴木さん:YOKOGAWAの場合、海外のお客様が多く、社員も6、7割は海外在住です。

そのため、動画を見る人は日本人以外が過半数と想定しており、

クロステリア様の場合、海外にクリエイターのネットワークを持っている点でも心強かったです。

納期通りに対応するという価値観を共有できた

—— 今回の動画プロジェクトの制作工程を教えてください。

鈴木さん:2022年1月初旬に藤保さんと初めてコンタクトを取らせていただき、私たちの想いや要件をお伝えしました。

サステナビリティレポートの6つの貢献分野をわかりやすく訴求するというのが私たちの一番実現したいことでもあったので、

藤保さんからも企画を練っていただき、かなり早い段階でご提案をいただきました。

特にデザインについて多くの時間をかけてディスカッションし、全体の演出方法、構成も同時にご検討いただき、3月の初旬には弊社社長のインタビューを撮影。

その後、編集された動画をもとに、何度かやり取りしながらブラッシュアップしていった、という流れになります。

 

—— その制作過程で大変だったことはありましたか?

古川さん:日々いろいろな業務が動いている中で、スケジュール通りに対応するのがとても大変でしたが、

クロステリア様に引っ張っていただけたので非常にありがたかったです。

鈴木さん:私自身は今まで、文章で伝えることしか経験がなかったので大変でしたね。

レポートを作る際は文字数制限を意識せずに私たちが言いたいことを原稿に書いていたのですが、動画では映像の尺の中でいかに簡潔にわかりやすく伝えるかが大事だとわかりました。

長い動画はなかなか観てもらえないので、何が重要なのか、何を伝えるべきなのか、といった点について何度も社内でディスカッションしました。

結果として、私たち自身の考えも洗練されたように感じています。

—— 制作中に印象に残っていることはありますか?

古川さん:YOKOGAWAがお客様から評価されていることの一つが、納期通りに対応するところだと思っています。

しかし、納期の短いプロジェクトにおいて、多くの企業ではスケジュール通りに事が進むことが少ないという事実も理解しています。

その点、クロステリア様は当社と近い感覚で、プロジェクトのスケジュールをしっかり守っていただける点が、非常にありがたく感じましたね。

スケジュール通りに進めるための工夫や提案もいろいろとしていただきました。

鈴木さん:ナレーションの原稿を、動画の尺を気にせず作成してしまった時があったのですが、藤保さんがコンパクトにまとめていただいたので、やはりプロはすごいなと感じました。

ナレーション原稿がコンパクトにまとまっていないと、マニュアル動画のようになってしまうのですが、今回の動画のコンセプトを踏まえてしっかりと⽅向性を⽰していただいたのが印象に残っています。

海外含め、多方面のステークホルダーから高い評価

—— 納品された動画を最初に確認した時の印象はいかがでしたか? 

鈴木さん:私の場合、プロモーション動画を作るのが初めてだったので、どういうものが出来上がるのか想像ができませんでした。

そのため、初めて作品を見た時は、やっぱりプロが手がけると素晴らしいものができるんだなというのが率直な感想です。

特に今回は、海外をメインターゲットに据えた動画だったので、わかりやすいコンセプト、デザイン、演出になっていると改めて感じています。

実際に動画を見た社員からは、とても良いフィードバックの声が上がってきます。

古川さん:期待以上に良いものを作っていただけたと思っています。我々の意図を理解し、こちらが気づかなかったことも含めて企画いただけたことが印象的です。

—— 今回の活動を通じて、動画を作ることのメリットをどのように感じましたか?

古川さん:メッセージを伝える手段として、圧倒的に効率が良いことですね。長い文章で伝えないといけないことが、動きを加えたり、音楽などの効果を入れたりすると、一瞬で伝わります。

特に、若い人たちは何か新しいものを理解しようとしたときに、YouTubeなどの動画サイトを活用することが当たり前になっています。

その点、今回はYOKOGAWAのサステナビリティの概念を伝える手段としてはとても良かったと感じています。

鈴木さん:同じく、映像と音で直観的に感じていただけるのが一番のメリットです。

また、限られた時間の中で何を伝えたいのか私たちも整理できたこともメリットだと感じています。

古川さん:動画は感情に訴える力がありますよね。社員のレスポンスも良かったです。

鈴木さん:例えば、UKのメンバーからは自分が所属している本部の教育の中にこの動画を使っていきたいという連絡が来たり、

中国のメンバーからは工場のショールームでお客様向けに常時流しておきたいと言ってもらえたり、南米ブラジル拠点からは、

ポルトガル語やスペイン語の字幕をつけて社内に展開したいという声もいただきました。

古川さん:最近、当社はM&Aを積極的に実施しており、私たちのことをあまり知らないメンバーがグループに加わってくるケースが増えてきました。

先週も買収した海外企業の社員向けにサステナビリティを説明する場があったのですが、その際に動画を使用しました。

結果、非常に短時間に理解してもらうことができたので、あとは要点を補足するだけで済み、非常に効果的な説明となりました。

—— すでに効果が出ているのですね!最後に今後どのように動画を活用していきたいのか教えてください。

鈴木さん:動画は当社に興味を持っていただくきっかけ作りになると感じています。

まずは、動画でYOKOGAWAの活動の全体像をつかんでいただき、その上で、より細かい情報をサステナビリティレポートやWebサイトで見ていただく流れを作りたいです。

古川さん:今後もサステナビリティレポートや、SDGs関連のプロジェクトを推進していくので、動画を活用し、より深く効果的にステークホルダーとコミュニケーションを取れるようにしていきたいですね。

感情に訴えかける動画は、より深いエンゲージメントに繋がる気がしています。

本日は素敵なお話をありがとうございました!

【最後に、クロステリア代表の藤保から】

今回のプロジェクトでは特に意識したことが2つありました。1つはターゲットがグローバルであること。

制作した動画が、海外の方が見てもデザイン面で違和感なく、

自然に受け入れられるものであるかが重要だと考え、海外の制作チームとタッグを組んでデザインを作り込んでいくことを決めました。

もう1点目は、正しい英語、伝わる英語です。

ただ英語を翻訳すればいいということではなく、そこからさらに構成を作るために2人のプロのライターに加わっていただきプロジェクトを遂行しました。

そして、すでにあるサステナビリティレポートをいかにコンパクトに重要な部分を訴求するか、

古川様、鈴木様とお話をしながら内容をつめていけたのも大きかったですね。

例えば、全部の章をそのまま流しても、マニュアル動画になり観ている人の感情には入っていきません。

限られた尺の中で何を伝えるかをお二人と協議させていただき、伝えるメッセージが決まると、

そこからのフィニッシュが見えるので、最初の1ヶ月目はどういう方向でいくかを大まかに決めました。

そして、2ヶ月目は軸となるデザインをどういう方向にするか決める。

最後の3ヶ月目に社長インタビューを実施し、その後にナレーションも付けて編集という流れで完成しました。

結果、お届けした動画にご満足いただけて、さらに幅広く展開されているのはとても嬉しいことです。